ソフトバンクグループ(SBG)は14日、傘下の英半導体設計大手アーム(ケンブリッジシャー州。売上高2066億円、営業利益47億円、純資産4790億円)の全株式を、米半導体大手のエヌビディア(カリフォルニア州)に売却すると発表した。売却額は最大400億ドル(約4兆2000億円)。エヌビディアは自社の普通株式を買収対価の一部に充当するのに伴い、SBGはエヌビディア株式の約6.7~8.1%を保有し、主要株主となる。
英国、中国、EU(欧州連合)、米国などの規制当局の承認を前提に売却完了まで約18カ月、時期として2022年3月ごろを見込む。
SBGとエヌビディアは13日(米国時間)に最終契約を締結した。取引金額400億ドルのうち、エヌビディアは契約時にアームに20億ドルを現金で支払う。買収完了時にSBG側に現金100億ドルとエヌビディア株215億ドル相当が支払われる。さらにエヌビディアは買収後の業績に応じて最大50億ドルを同社株か現金のいずれかで支払うほか、アーム従業員に15億ドル相当の株式報酬を付与する。
SBGは2016年9月に、アームを約3兆3000億円で買収し、100%子会社化した。今回、4兆2000億円で売却することにより、9000億円規模の差益を得る形となる。SBGはアームについて、株式の再上場とエヌビディアへの売却の双方を検討していたが、後者を選択した。
アームはスマートフォンやタブレットなど携帯端末の頭脳部分にあたる半導体技術のトップ企業。一方、エヌビディアはAI(人工知能)処理やグラフィック関連の半導体開発で市場をリードする。
2022/02/08ソフトバンクグループはアーム売却に関する契約を解消することでエヌビディアと合意したと発表した。各国競争当局の審査が難航していた。売却断念に伴い、今後はアームの株式上場を通じて資金化を目指す。
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