11月30日、NTTドコモの「iモード公式サイト」が23時59分をもって終了します。2026年に予定されている3Gサービスとiモードの終了に向けて、また一歩近づく形になりました。
iモードがサービスを開始したのは1999年2月のこと。当時、パソコンでは1995年に登場したWindows 95により、OS標準の機能としてインターネット接続に対応したものの、使える人はまだまだ限られていました。
これに対してiモードは、携帯電話でインターネットのようなコンテンツを楽しめるという世界的に見ても画期的なサービスでした。いま、30代半ば以上の人なら、初めてのインターネット体験が携帯電話だったという人も多いのではないでしょうか。ドコモによれば2010年7月には約4900万契約を突破していたとのことです。
ここで当時の思い出を語りたいところですが、筆者は学生の頃からWebサイトのデザインやプログラミングの仕事をしており、iモードのように携帯キャリアが提供する独自サービスには否定的でした。筆者が好きだったのは携帯電話でもパソコンと同じWebサイトにアクセスする「フルブラウザ」機能です。
その頃にはPDAが進化したような初期のスマートフォンが登場するわけですが、当時のスマートフォンはマイナーな存在に過ぎず、世の中の主流はiモードやEZwebのままだったように記憶しています。そういう意味では、iPhoneとAndroidの登場による爆発的なスマホの普及は、筆者の期待や想像をはるかに超えていました。
2008年にはソフトバンクが日本でiPhone 3Gを発売し、いわゆる「ガラケー」からスマホへの本格的な移行が始まります。ドコモは2019年9月30日にFOMA(3G)とiモードの新規受付を終了。2020年3月24日には「iモード検索」が、そして2021年11月30日にはiモード公式サイトが終了。2026年3月31日には3Gとiモードがすべて終了する予定です。
ドコモに先んじて、KDDIは3Gサービスを来年の春である2022年3月31日に終了します。限られた周波数を有効活用すべく各キャリアは「3G停波」を進めている中で、携帯ショップではこれが買い替えを促す商機となっています。
3Gサービスが終わることで、いわゆる「ガラケー」が使えなくなると理解している人もいるでしょう。しかし携帯キャリアは折りたたみ式など4Gに対応した「ケータイ」の販売を続けており、2021年になっても新モデルを投入しています。
いま、ケータイという名前で売られている商品はAndroidスマホをベースにカスタマイズを施したもので、実質的な中身はスマホといえます。しかしメーカーは工夫を凝らしており、その操作感は電話とメールを中心にした従来型携帯電話に近いものになっています。
これらのモデルは4Gに対応しており、3Gサービスの終了とは関係なく使い続けることができます(KDDIはau VoLTE対応機種のみ)。スマホといえばiPhoneのような形状の端末が主流ではあるものの、馴染めそうにない人にはケータイという選択肢も残されているというわけです。