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障がい者を支えるテクノロジーの進化と、サイボーグ化していく人類について、ITジャーナリスト林信行が考察する。

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前回の記事でも触れたが、私がこれまでの人生でもっとも感銘を受けた講演のひとつに、1994年に開催された宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士によるMacワールドエキスポの基調講演がある。

 障がい者を支えるテクノロジーの進化と、サイボーグ化していく人類について、ITジャーナリスト林信行が考察する。

博士はその講演で「人類はいずれ、自分のように遺伝子的な要因で病気になった人を救うため、遺伝子操作によりその疾病を克服するだろう」と予測した。しかしその一方で「遺伝子操作の技術が進めば、当初の目的である病気予防のための試みが、いつしか他人よりも優れた遺伝子の創造、たとえば、より長生き出来る遺伝子などを生み出す方向に向かうのではないか」と警鐘を鳴らすことも忘れなかった。

博士はこれを「自己設計進化」と名付けたが、近年のテクノロジーの進化に、私はその範囲は博士の言う遺伝子操作のみならず、身体の機械化、または身体と機械の融合という、まさに物理的な身体改造もまた加速化するのだろうと考えている。

そのように考えるようになったのは、1990年にアップルが出版した『Independence Day』(インデペンデンス・デイ)という、残念ながら現在は絶版となった本の存在が大きい。サブタイトルは「Designing Computer Solution for Individual with Disability」、つまり「障がいをもつ人のための、コンピュータソリューションのデザイン」というテーマだ。